今月はDSQとDNFの話です。

先日、広島県尾道市因島で西日本インカレが開催されました。
9/6に観音寺市で開催されるインカレは西日本と東日本で開催される予選会で出場権が与えられます。
TTrAでは東日本インカレをサポートしており、予選の公平さを把握するため西日本インカレもTOで参加しました。

九州ブロックのある選手がスイム後にトランジでウエットスーツを脱ぐときに計測チップも外れてしまいました。
計測のネオシステムから1名バイクスタートしていないとの情報があり、スイムコースを確認しても選手はいません。
レースナンバーが解っていましたので、その選手のトランジションを探してみたらウエットスーツの中に計測チップが入っていました。
脱ぐときにいっしょに外れてしまったと思われます。
計測チップ無しでのレースなのでDSQとなります。
しかし学生審判長HRが何とか救済したいとの強い意向で、HR・TDと私(トランジションチーフ)で対応を検討した結果を報告します。

JTU競技規則
第130条 失格は、故意によって行われた悪質な違反及び重大なマナー違反に対し科せられる。
2 失格は、繰り返しのバイクドラフティング違反、意図的な危険行為、スポーツマン精神に反する行為
などの深刻な競技規則違反に対応するための罰則である。

今回の案件はDSQとすればそれで済む話ですが、将来のある学生アスリートを失格にしてレースをやめさせるのは、私もHRと同じ意見で、何とか救済したい。
しかしこの選手を走らせて予選通過するとそれで1名の選手がインカレ出場権を失う事になります。

私は選手がトランジに戻った時に計測チップを渡し、記録上はDNFでレースは走らせてリザルトにタイムを記載することを提案しました。
本人もDNFを納得の上レース続行希望するなら走らせることにし、結果的に選手はラン競技を継続しました。

レース後にその選手と直接お話ししました。
自分はまだ2年生であり、来年に向けての強い意気込みと、走らせてくれた関係者への謝意を述べていました。
悔しさをにじませながらも、清々しい姿勢で話してくれたのが嬉しかったです。
DNFとしたのが正しいかどうかは難しいですが、
DSQで汚点を残すよりは私たちの判断は間違ってなかったと思っています。
競技規則は守るべきですが、この程度の判断は許されるのではないでしょうか。
当日は51.5kmが3レースで長時間のTOでしたが、疲れの残らない楽しいTOができました。

TTrA競技審判委員会 長嶋政光

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2025/Mar.         実例研究その1

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